テードゥンムニ講座 第2回 – 猫 –
猫にまつわるテードゥンムニ
竹富島を歩いていると、よく猫を目にします。
飼い猫も、自由な猫も。
港やコンドイ浜、集落のあちらこちらで自由に歩いています。
そこで今日は、「猫」にまつわるテードゥンムニ(竹富の方言)をご紹介します。
1 マヤヌ ウムティ ナディタ アミヌ フプン
〈語彙〉
マヤ:猫
ウムティ:面。表。顔。
ナディルン:撫でる。
アミ:雨
フップン:降る
〈意味〉
猫が面をなでたら雨が降る
2 マヤーヌ ウヤンチュ トゥリッタ
〈語彙〉
ウヤンチュ:ネズミ
〈意味〉
猫がネズミをとった
3 ミャウミャウティ マヤヌドゥ ナイセ
〈語彙〉
ミャウ:猫の鳴き声。
〈意味〉
ミャウミャウと猫が鳴いている
4 イルンナ マヤヌドゥ プラー
〈語彙〉
イルンナ:いろいろな
〈意味〉
いろいろな猫がいる
5 ビー マヤ、ミー マヤ
〈語彙〉
ビー:雄。牡。性別のある語の上に付き、それが雄であることを表す。
ミー:雌。雄の対語。
〈意味〉
雄猫、雌猫
6 マヤーヌ ファーナーヌ マリター
〈語彙〉
ファー:子。子どもの総称。人にも動物にもいう。
ファーナー:子ども。特に幼い子ども。ナーは相性の接尾語。
マリルン:生まれる
〈意味〉
子猫が生まれた
7 ップ マヤーヌドゥ プラー
〈語彙〉
ップ:黒い
〈意味〉
黒猫がいる
8 ンーヌ カマヤー ドゥ ヤマシダル
〈語彙〉
ンー:芋。サツマイモ。アコンナーともいう。
ヤマスン:痛める
〈意味〉
芋の皮のような猫(トラ猫)が怪我をしている
以上です。
いかがでしたか。
テードゥンムニには「ん」から始まる言葉がたくさんあるところが面白いです。
しりとりで「ん」で終わる言葉を言っても、負けないですみます。
テードゥンムニは戦前まで竹富島で使われてきた言葉でしたが、戦後の「方言札」の時代に話す人が少なくなりました。
現在は、話せるおじぃ、おばぁがだんだん少なくなってきています。
地域では島の子ども達に伝えていく活動が行われています。
言葉を学ぶことで、その土地の文化への理解が深まります。
私も少しずつ勉強して行きたいと思いますので、今後もどうぞお付き合いください。